核心要約
- タオル投資証券、AI対話から発注まで
- 要約から実行へと進んだAI
- まず移すべきは形式が定まった業務
- AIが触れるデータ・機能を一枚に
タオル投資証券の「MCPトレーディング(MCP Trading)」では、生成AIと対話しながら国内株式の相場や保有銘柄、口座残高、注文可能金額を確認した後、同じ会話の中で注文まで依頼できます。2026年9月9日、金融投資業界によると、国内証券会社はAIを活用して投資情報をわかりやすく伝え、取引の利便性を高めることに注力しており、資産管理(WM)や投資銀行(IB)など主要事業にも適用範囲を広げています。
何が変わったのか
顧客が実感する変化は投資情報に触れる方法です。長い報告書を読んだり銘柄別ニュースを一つずつ調べたりする手間をAIが省いてくれるサービスが増えています。
- ハナ証券 — 2026年9月に発売した新しいモバイルトレーディングシステム(MTS)「ハナ証券V」の「AIブリーフィング」が、米国株式市場の引け後の相場動向や主要銘柄の値動きの背景を分析・要約します。「ETF MBTI」は顧客が保有する株式や上場投資信託(ETF)の構成銘柄などを分析し、適切なETFを推薦するサービスです。
- キウム証券 — 「英雄門S#(ヨンウンムンS#)」のコミュニティで、銘柄レポートをAIが要約した「キウム証券お知らせ」を提供しています。このコミュニティの累計利用者数は2026年8月20日時点で173万人を超えました。
- タオル投資証券 — 「MCPトレーディング」は別途のコーディングなしにコマンド一行でインストールできます。
これらをつなぐ技術がMCP(Model Context Protocol・モデルコンテキストプロトコル)です。ChatGPTやClaudeなどの生成AIが外部サービスのデータや機能を活用できるように接続する標準規格です。
顧客接点の次は内部組織です
新韓投資証券はAX本部傘下に、AIエージェントのみで構成された「AIエージェント部」を新設しました。情報調査や資料作成などを行う独立部署で、国内金融会社では初の事例です。これを土台に、リサーチやWM、IB、デジタルプラットフォームなど主要部門に段階的にAI協業モデルを適用する方針です。
NH投資証券は2026年8月からWMやIB、ホールセールなど優先推進する7つの領域で、中核となるAIエージェントの開発と全社的なAIプラットフォームの構築に着手しました。2026年8月に開催された「2026年下半期リーダーズカンファレンス」では、AX推進を中核議題に定め、年末から適用範囲を本格的に拡大する計画です。
韓国企業へのAX示唆点
2つの軸を並べると順序が見えてきます。顧客接点では、相場やレポートの要約のように人が読むのに時間を費やしていた業務が先にAIへ移り、その次が同じ会話の中で注文へとつながる実行です。社内では、情報調査や資料作成のように成果物の形式が明確な業務が先に切り出されました。自組織でAIに任せる候補を選ぶなら、「成果物の形式が定まっているか」と「誤った場合に取り消せるか」を併せて問うのが順序といえます。
タオル投資証券のサービスが別途のコーディングなしにコマンド一行でインストールできるという点は、導入コストがどこへ移動したのかも示しています。接続自体が標準規格で処理されるなら、残る課題は何を接続するかを決め、その接続が実行権限まで持つ範囲をどこで区切るかを判断することです。今週確認しておきたいことの一つは、組織がすでに使っている生成AIがどの社内データや機能に触れているのかを一枚にまとめてみることです。
